それでも好きだよとそっと囁いた

どういうわけだか君は、僕を嫌ってるよね?
「そ、そんなつもりではありませんが……」
じゃ、僕のこと苦手?
「そ、そんなこと一言も言ってないじゃないですか!」
ふふ、君は本当に正直者だね。
目が泳いでいるよ?

「そ、そんなつもりじゃ……」

ふふ、本当に素直で可愛いね。ますます君が欲しくなっちゃったよ。
「!!そ、そんなことを言うから貴方は苦手なんです!」
あーやっぱり苦手なんだ。
そうつつくと、君はしまったという顔で俯いてしまった。

うそうそ、冗談だよ。
そう言っても、君は警戒を解いてはくれない。
ああ、でもそれは最初からか。
あの時の戦いで、君のことを騙してからずっと君は僕に笑顔を見せてはくれない。
君の国の花のような淡く優しい微笑みを。
どんなに僕が見たいと願っても、君は僕に心を許さない。

この調子じゃ、僕が君の事を本当にすきだと言っても全く信じてくれないだろうね。
すごく、残念だよ。

アメリカへの全幅の信頼や。
イギリスへの友情。

その感情が羨ましいって言ったら君はどうする?
驚くかい?怒るかい?それとも悲しむ?

どれにしろ、君を笑わせることなんで出来ないけど。
すごく、悔しくて切ないけど。

でも、君からの感情が何であろうと。

それでも好きだよとそっと囁いた。


(今はそうじゃなくても、いつか、君の笑顔を見ることができたら)




基本ロシア様は真っ黒なんですが、奥には純粋な面があるといいです、てか、そうですよね
2007/06/01 composed by Hal Harumiya


Wijnruit/それでも好きだよとそっと囁いた