未来永劫の願い

まるで子犬のように純粋な貴方。


戦争に敗れて私、貴方を一番恨みました。
貴方さえいなければ、今ごろ我々は戦争に勝っていたかもしれない。
いえ、そこまでいかなくてもあそこまで深刻なダメージを受けなくてもよかった。
何もあそこであんなものを落とさなくても。
あれのおかげで私はこの先ずっと消えない痛手を負いました。
そうして私は諸手を挙げざるを得なくなった。
恨みました。

更に貴方の支配下に置かれたこと。
屈辱でした。
建国してたった200年程しか経っていない新興国に支配される屈辱。
悔しかった、このままではいけないと思った。
必ずのし上がってやると。

そうして今現代に生きる私は、貴方と共に在る。
貴方は敗戦国の私の手を取り、光を見せてくれました。
私は貴方を越えてやろうとがむしゃらに頑張りました。
いつからか貴方を恨むという気持ちは薄れていきました。

(すごいじゃないか日本!これは世界でも通用するよ)

敗れた国とかそんなことは関係なく、よいことはよいと認めてくれた貴方。
ただ貴方に認められたかった。
一つの国として、対等でありたかった。

時代は流れます。
貴方と共に生きて来たこの60年は、私にとって幸せであり、辛くもありました。
しかしこれだけは言えます。

私はいつでも貴方の味方で在り続けたい。
貴方の周りが敵だらけになったとしても。
貴方の目指す正義が間違っていても。
私はきっと、貴方の手をとるでしょう。


あの戦いで刃を交えたときからきっと。
これは決まっていた運命だったのでしょう。


(日本、君の未来は俺が引き受けるよ)

そう告げられたときに。
貴方の手を取ったあの日から。




今の日本はなかなかアメリカから離れられないよなぁという妄想
2007/05/10 composed by Hal Harumiya