全ては、あなたのために

全てが終わる今、思いを馳せる。




あなたと出会ったこと、あなたの八葉となったこと。
世界を救おうと、戦ったこと。
そして、あなたと恋に落ちたこと。
つらいこともあった。早く消えてしまいたいと、そう思ったこともあった。
自分の姿が、存在が疎ましかった。
私さえいなくなれば、私さえ黄泉から戻ってこなければこのようなことにはならなかったのに、と。
何度も何度も自分を責めた。
消えてしまいたいと思うのに、この体は殺戮を求める。
理性を押さえ込もうとする。
嫌で嫌でたまらなかった。
自分も、自分を蘇らせた人々も、この世界でさえ。

それなのに。
あなたはそんな私を許してくれた。求めてくれた。
自分にも存在する価値があると、そう言ってくれた。
私の心を、 救ってくれたのだ。

ああ、その時私がどんなに幸せだったかあなたに全てを伝えられないのが残念だ。
まるで自分が清い存在にでもなったかのような感覚。(そんなことは決してありえないのだが)
あなたの笑顔を見るたび、心に暖かいものが増えていった。
もっと笑顔が見たくて、もっとその軽やかな声音を聞いていたくて。
もっとそばにいたくて。
この気持ちが恋だと気づいた時、私は最初気持ちを押さえ込もうとした。
私と彼女は違いすぎるから。
彼女に迷惑がかかるぐらいならこのような気持ちなど消してしまった方がいいと思った。
しかし、どうしても彼女に焦がれて。
ひっそりと胸の奥で想い続けるならば、いいのではないかと思うようになった。
絶対他の誰にも知られないようにするならば、それぐらいは構わないのではないかと。
気持ちを消すには大きく育ちすぎてしまった。
ただひっそりと胸の奥であなたを想い、あなたを八葉として護ることができるならこれほど幸せなことはないだろうと思って。
たとえ決して叶うことのない想いだと分かっていても。
生きている間には感じることのなかった気持ち。
死んだ身となってこのような感情を知るなど、なんという皮肉だろう。
しかし、この身だからこそ出来ることもある。
怨霊となったこの身だからこそ。
私は、あなたの望みを叶えることができる。

( あなたが護りたいと願ったこの世界を、私が、 )

私はあなたの八葉。
この身であなたを護ることができるなら、

( 喜んでこの体を、捧げよう、 )

だから―――――

( どうかそんな悲しそうな顔をしないで )

体は消えても、あなたへ焦がれるこの気持ちは、あなたの元へ残してゆこう。
ああ、全ては、あなたのために。




最後敦盛が竜巻に呑まれるあたり?の敦盛の気持ちぐらい?だと(?おおすぎ)
2008/01/17 composed by Hal Harumiya