注意!死ネタです
あの人は、あの人はどこ?
「っ…望美…」
ねぇ、うそだよね?いなくなったなんて、嘘でしょ?
そんなの分かってるんだから。
たちの悪い冗談でしょ?
「…の、望美…」
やだな、みんな。そんな真剣な顔したって騙され、ないんだから。
生きてるよね?
あんなに一生懸命潔白だって、お兄さんに分かってもらえるようにって、言ってたじゃない。
生きてる……でしょ?
なんでみんな何にも言わないの?
なんでみんなそんなつらそうな顔するの?
やだ、やだ、認めない!そんなの絶対に認めない!
九郎さんは生きてるって、ずっと一緒にいるんだって、わたしの世界に行きたいって!!
言ってたじゃない!!!
九郎さん、九郎さん、九郎さん!
どうして…どうしてぇ!!!
死んでしまった、なんて。
+++
九郎さん。
あなたがいなくなってからもうずいぶん経ちました。
でも、わたしの時間はあの日からずっと止まったまま。
あなたがいない世界はこんなにも暗くて。
苦しくて、どうか忘れさせてと祈ったのに。
忘れようと思うたびに心が悲鳴をあげて。
あなたを切り離すことは出来ないんだってことを思い知らされました。
わたしはあなたをずっと想っています。
今までも、これからも。
死ネタすみません でも書きたかった
百人一首で100のお題 074 どうか忘れさせてと祈ったのに。/憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを