「なんでそんなに怒るんですか!?」
さっきまでのしゅんとした態度はどこへやら急に反論してくる望美。
「勝手に出歩くな、とあれほど言っただろう!規律を乱すことは許さん」
何度も彼女に言ってきた言葉だし、ついさっきも同じことを言ったばかりだ。
「誰に迷惑をかけたわけじゃないんですからいいじゃないですか、無事だったんだし」
と望美は言う。
そもそもなぜ怒られているか分かっていないようだ。
「そういう問題ではない!言え、なぜ断りもなしに出かけた?」
「言いたくありません」
かたくなにそう言う彼女。
こっちはお前が帰ってくるまで死ぬほど心配したというのに。
何も分かっていない。
「なぜ言えない!……わかった。お前は当分一人で外出することを禁ずる。近くであってもだ」
ついに俺は判断を下した。
すると、見る見るうちに望美の顔が険しくなっていく。
「九郎さん、勝手に決めないでよ!」
怒りを俺にぶつける望美。
でも、理由をいえないんじゃ当然の処置じゃないか?
「それがいやだと言うならば、理由を行ってみろ」
そう言うと、黙りこくってしまう。
ダメだ、埒が明かない。
そもそもそんなに隠したがる理由とは何だ。
もともと望美は隠し事をするような人間ではない。
望美が俺に隠し事をする時は、知られたくないことがある時か、もしくは誰かを庇っている時か……。
「一体何を隠している?いや、誰かを庇っているのか?」
言うと、彼女の顔色が変わった。
「庇ってなんかいません!一人だったんですから」
その態度は明らかに嘘をついている。
イライラ。
なんなんだ、嘘をついてまで庇う理由は何だ。
あんなに心配していたのが急にバカらしくなった。
一人でいたわけじゃない、誰かと一緒だった、と。
初めから言えば、こんなに俺も怒らない。
しかし、イライラは増すばかりだ。
「もういい!勝手にしろ!心配した俺がバカみたいだ」
そう吐き捨てて、部屋から出て行こうとした。
「え?」
と間抜けな声が響いたのはその後すぐ。
「ちょっと待って、九郎さん。九郎さん、わたしのこと心配していたんですか?」
と、ひどく驚いたように告げられて。
どこかが切れた。
「当たり前だっっ!!急にいなくなって、なかなか帰ってこないから野盗に襲われたのかと思って心配したんだぞ!」
それなのに。
「やっと帰ってきたかと思って事情を聞こうとしても、言いたくないの一点張り、挙句に誰かを庇って言わない」
それでは、怒るのだって当然だろう。
と、肩で息をしながらまくし立てた。
望美はそれをぽかんとしながら聞いていたけれど、突然くすくすと笑い出した。
「なぜ笑う!!」
「だって、九郎さん。まるで妬いてるみたいなんだもの」
は?
「…や、やいてる?」
望美はくすっと笑って。
「ああ、ごめんなさい。嫉妬してるみたいだなって」
は?
し、嫉妬…?
「っだ、誰がっっっ!!」
嫉妬しているなんて、と言おうとしたが、舌が上手く回らない。
顔がどんどん熱くなっていく。
くそっ、こんなに動揺するなんて冗談じゃない。
「うそですうそ。九郎さんが妬くはずないですよね」
にっこり笑ってそう告げられて。
俺は二の句が告げなくなってしまった。
さっきまでのしゅんとした態度はどこへやら急に反論してくる望美。
「勝手に出歩くな、とあれほど言っただろう!規律を乱すことは許さん」
何度も彼女に言ってきた言葉だし、ついさっきも同じことを言ったばかりだ。
「誰に迷惑をかけたわけじゃないんですからいいじゃないですか、無事だったんだし」
と望美は言う。
そもそもなぜ怒られているか分かっていないようだ。
「そういう問題ではない!言え、なぜ断りもなしに出かけた?」
「言いたくありません」
かたくなにそう言う彼女。
こっちはお前が帰ってくるまで死ぬほど心配したというのに。
何も分かっていない。
「なぜ言えない!……わかった。お前は当分一人で外出することを禁ずる。近くであってもだ」
ついに俺は判断を下した。
すると、見る見るうちに望美の顔が険しくなっていく。
「九郎さん、勝手に決めないでよ!」
怒りを俺にぶつける望美。
でも、理由をいえないんじゃ当然の処置じゃないか?
「それがいやだと言うならば、理由を行ってみろ」
そう言うと、黙りこくってしまう。
ダメだ、埒が明かない。
そもそもそんなに隠したがる理由とは何だ。
もともと望美は隠し事をするような人間ではない。
望美が俺に隠し事をする時は、知られたくないことがある時か、もしくは誰かを庇っている時か……。
「一体何を隠している?いや、誰かを庇っているのか?」
言うと、彼女の顔色が変わった。
「庇ってなんかいません!一人だったんですから」
その態度は明らかに嘘をついている。
イライラ。
なんなんだ、嘘をついてまで庇う理由は何だ。
あんなに心配していたのが急にバカらしくなった。
一人でいたわけじゃない、誰かと一緒だった、と。
初めから言えば、こんなに俺も怒らない。
しかし、イライラは増すばかりだ。
「もういい!勝手にしろ!心配した俺がバカみたいだ」
そう吐き捨てて、部屋から出て行こうとした。
「え?」
と間抜けな声が響いたのはその後すぐ。
「ちょっと待って、九郎さん。九郎さん、わたしのこと心配していたんですか?」
と、ひどく驚いたように告げられて。
どこかが切れた。
「当たり前だっっ!!急にいなくなって、なかなか帰ってこないから野盗に襲われたのかと思って心配したんだぞ!」
それなのに。
「やっと帰ってきたかと思って事情を聞こうとしても、言いたくないの一点張り、挙句に誰かを庇って言わない」
それでは、怒るのだって当然だろう。
と、肩で息をしながらまくし立てた。
望美はそれをぽかんとしながら聞いていたけれど、突然くすくすと笑い出した。
「なぜ笑う!!」
「だって、九郎さん。まるで妬いてるみたいなんだもの」
は?
「…や、やいてる?」
望美はくすっと笑って。
「ああ、ごめんなさい。嫉妬してるみたいだなって」
は?
し、嫉妬…?
「っだ、誰がっっっ!!」
嫉妬しているなんて、と言おうとしたが、舌が上手く回らない。
顔がどんどん熱くなっていく。
くそっ、こんなに動揺するなんて冗談じゃない。
「うそですうそ。九郎さんが妬くはずないですよね」
にっこり笑ってそう告げられて。
俺は二の句が告げなくなってしまった。
九郎は犬みたいだなぁー 恐らく裏熊野ルート中