君に何ができる?
力を失って、ただ俺に従うだけの君に。
自我を失った君に。
俺に勝てると思ってるのかい?
日本が涙を流すところなど、初めて見た。
あの日本が。
どれだけ傷つけられても決して涙を見せることのなかったあの日本が。
いともあっさりと。
涙を流した。
それもたった一人の男のことで。
ものすごくイライラする。
自信があった。
日本の全ては俺のもので、日本も俺に夢中なのだと。
実際あそこでイギリスに会うまでは日本だってそう思っていたに違いない。
俺は日本の望みならなんでも叶えてあげたかったし(実際に叶えてあげたし)、日本も俺の言うことならなんでも聞いてくれた。
それはお互いに想いあっていた証拠だと思う。
だから、日本とあいつを会わせても問題ないと思った。
いくらあいつが未練たらしく日本を想っていたところで、所詮日本にとっては過去の男なのだ、と。
今の日本は俺を愛してくれている、と。
そう思ったから、あえて声をかけた。
実際途中までそれは成功していたし、俺は恐ろしく機嫌がよかった。
でもあの瞬間。
去っていくイギリスの後姿をこれ以上見せているのが嫌で日本に声をかけた時。
日本が目を見開いて俺を見上げて。
そして。
「にっ、日本!?どうしたんだい?」
泣いたのだ。
ただ静かに涙を流していることに、日本自身も気づいていないかのように。
それは静かに日本の頬を濡らしていった。
瞬間頭を占めたのは罪悪感。
打算など何も考えずに、ただ日本を泣かせたことに対する後悔。
泣かせるつもりじゃなかった。
ただ、イギリスに俺たちの仲を見せつけてやりたかった。
それがどうだ。
その行為は、日本がまだイギリスを忘れられていないということを証明したにすぎなかった。
悔しい。
次に胸を占めたのはイギリスへの嫉妬。
焦がれて焦がれて。
手に入れたくて。
やっとの思いで彼を手に入れた。
優しくして優しくして。
俺なしでは生きていけないように、大事に大事にしてきたつもりだった。
それなのに。
(たった一瞬で、君は日本を連れて行ってしまうんだね)
あの日、涙を流していた日本に浮かんだのは確かな恋慕。
俺に対するものじゃなく。
あいつ、イギリスへの。
ギリ、と知らない間に強く奥歯を噛みしめていた。
(ああ、本当に俺は君が憎いよイギリス)
そして、ふと冷静に戻る。
それでも。
結局何も変わらないのではないか。
たとえ日本が俺よりイギリスがすきでも、日本は俺を捨てられない。
それは事実だ。
決して変わらない。
愛してくれているとわかる。
俺だけを見てくれているわけじゃなくても、俺を見る目の甘さに気づかないわけじゃない。
ただ、それが俺一人に向いているわけじゃないだけで。
(それなら、)
俺は今まで通り彼に接するだけだ。
絶対絶対離れていかないとわかっているから。
彼は俺を捨てられないから。
だから俺は彼に今まで通り優しく優しくしていく。
大事に大事に。
イギリスのことなんか忘れてしまうくらい。
君を想う気持ちなら誰にも負けないから。
「ねぇ日本」
君も僕を愛してる、よね?
力を失って、ただ俺に従うだけの君に。
自我を失った君に。
俺に勝てると思ってるのかい?
日本が涙を流すところなど、初めて見た。
あの日本が。
どれだけ傷つけられても決して涙を見せることのなかったあの日本が。
いともあっさりと。
涙を流した。
それもたった一人の男のことで。
ものすごくイライラする。
自信があった。
日本の全ては俺のもので、日本も俺に夢中なのだと。
実際あそこでイギリスに会うまでは日本だってそう思っていたに違いない。
俺は日本の望みならなんでも叶えてあげたかったし(実際に叶えてあげたし)、日本も俺の言うことならなんでも聞いてくれた。
それはお互いに想いあっていた証拠だと思う。
だから、日本とあいつを会わせても問題ないと思った。
いくらあいつが未練たらしく日本を想っていたところで、所詮日本にとっては過去の男なのだ、と。
今の日本は俺を愛してくれている、と。
そう思ったから、あえて声をかけた。
実際途中までそれは成功していたし、俺は恐ろしく機嫌がよかった。
でもあの瞬間。
去っていくイギリスの後姿をこれ以上見せているのが嫌で日本に声をかけた時。
日本が目を見開いて俺を見上げて。
そして。
「にっ、日本!?どうしたんだい?」
泣いたのだ。
ただ静かに涙を流していることに、日本自身も気づいていないかのように。
それは静かに日本の頬を濡らしていった。
瞬間頭を占めたのは罪悪感。
打算など何も考えずに、ただ日本を泣かせたことに対する後悔。
泣かせるつもりじゃなかった。
ただ、イギリスに俺たちの仲を見せつけてやりたかった。
それがどうだ。
その行為は、日本がまだイギリスを忘れられていないということを証明したにすぎなかった。
悔しい。
次に胸を占めたのはイギリスへの嫉妬。
焦がれて焦がれて。
手に入れたくて。
やっとの思いで彼を手に入れた。
優しくして優しくして。
俺なしでは生きていけないように、大事に大事にしてきたつもりだった。
それなのに。
(たった一瞬で、君は日本を連れて行ってしまうんだね)
あの日、涙を流していた日本に浮かんだのは確かな恋慕。
俺に対するものじゃなく。
あいつ、イギリスへの。
ギリ、と知らない間に強く奥歯を噛みしめていた。
(ああ、本当に俺は君が憎いよイギリス)
そして、ふと冷静に戻る。
それでも。
結局何も変わらないのではないか。
たとえ日本が俺よりイギリスがすきでも、日本は俺を捨てられない。
それは事実だ。
決して変わらない。
愛してくれているとわかる。
俺だけを見てくれているわけじゃなくても、俺を見る目の甘さに気づかないわけじゃない。
ただ、それが俺一人に向いているわけじゃないだけで。
(それなら、)
俺は今まで通り彼に接するだけだ。
絶対絶対離れていかないとわかっているから。
彼は俺を捨てられないから。
だから俺は彼に今まで通り優しく優しくしていく。
大事に大事に。
イギリスのことなんか忘れてしまうくらい。
君を想う気持ちなら誰にも負けないから。
「ねぇ日本」
君も僕を愛してる、よね?
アメリカは本当に日本がすきです 純粋であるが故に残酷なアメリカが当サイトのベースなはず(玉砕
2008/10/23 composed by Hal Harumiya
2008/10/23 composed by Hal Harumiya